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日本ヒューレット・パッカード
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パワフルなワークステーションと大判プリンターで
京都の歴史空間を自在に再現(1/2) |
■ 立命館大学文学部地理学教室
■ 立命館大学歴史都市防災研究所
■ 立命館大学アート・リサーチセンター |
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地理学の分野においては、近年、コンピュータを活用した計量的な手法による研究が広く普及してきた。そこでは、大縮尺の地図データを扱い、地理情報システム(GIS)による高度な空間分析などを駆使するため、高性能なコンピュータ機器の利用が不可欠となる。
立命館大学地理学教室は、同大の歴史都市防災研究所とアート・リサーチセンターとともに、GISをフルに活用した先進的な研究を進めていることで知られているが、それを支えているのが、日本HPの製品を中核とする全国屈指のコンピュータ環境である。同教室の研究をリードする矢野桂司教授にお話を伺った。 |
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(右写真)矢野教授が高く評価する
HP Z820 Workstation(手前)
HP Designjet T2500PS eMFP(奥) |
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地理空間情報の処理にマシンが追いついてきた |
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「われわれの研究においては、ハイエンドなワークステーションが不可欠で、メモリも大きいほどいいんです。大きな地図データをESRI ArcGISでサクサク処理できないと追いつかない。
例えば、基準地域メッシュ(1km)は全国で約38万のポリゴンに分かれていますが、私がまだ助手だった1990年頃、それで1枚の全国地図を作るのに当時の最新マシンでおよそ1日かかった憶えがあります。それが今では1分ほどでできてしまうのですから、隔世の感がありますね。
しかし、扱う空間単位はどんどん大きくなって、データ量は増大しています。今後もさらにスペックの向上が求められていくことは間違いありません」
実際、矢野教授の研究では、さまざまなGISビッグデータが使われる。20万件を超える全国の町丁目データでコロプレスマップを描いたり、NTTのタウンページの約4000万件の電話番号にXYの位置情報を付加したテレポイントデータを作成したり、という具合だ。 |
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HP Z820 Workstation |
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歴史GIS研究を支える膨大な作業 |
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だが、今とりわけマシンのハイレベルなパワーが必要になっているのは、大量のラスター系の画像処理だという。
「ここ数年、京都の都市空間が近代を通じてどのように形成され、変容してきたかを地理情報を活用して多角的に解明しようという歴史GIS研究を進めてきています。主な手法としては、京都に残されている古地図、絵図などをデジタルに取り込み、GISを用いて空間的に関連づけながら、時代ごとの都市の状況を立体的に構成していくわけです。したがって、この研究では、昔の紙の地図を部分ごとに高解像度でスキャニングして、それらをつなぎ合わせるという作業が必要になります」
この研究で、近代京都市街に関する以下の5種類の大縮尺地図がすでにGISデータベースに収録されている。
・仮製地形図(近畿地方) 2万分の1 明治中期
・正式地形図(近畿地方) 2万分の1 大正元年
・京都地籍図 1300〜2000分の1 大正元年
・京都市都市計画図 3000分の1 大正11年、
昭和4年、昭和10年、昭和27・28年
・京都市明細図 1200分の1 昭和2年
(戦後昭和26年まで書き込み) |
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このうち、2010年に京都府総合資料館で発見された京都市明細図は、昭和2年に大日本聯合火災保険協会京都地方会によって作成された火災保険図の一種で、戦後、京都府の都市計画局が訂正・加筆したものも残っている。研究チームは、このA2サイズの明細図291枚(図面は286枚)を高解像度でスキャニングし、そこに位置情報を付与してGeotiff形式に変換した上で、GISを利用して1枚に貼り合わせた(http://www.geo.lt.ritsumei.ac.jp/ meisaizu/googlemaps.html)。さらに、手作業によって、地図上におよそ15万ものポリゴンを描き起こし、そのそれぞれに属性データを書き入れるという膨大な作業を実施。それによって、昭和初期から戦後にかけての京都市街の変遷を精密にたどることができる貴重なGISデータが構築された。京都地籍図の場合も同様に、375枚の図面を高解像度でスキャニングし、約6万8千筆の敷地ごとにポリゴン化して、地代や土地所有者の属性情報を書き加えていった。
また、これ以外にも、江戸時代の寛永後萬治前洛中絵図のGIS化、京都の街並を3Dで再現するバーチャル京都プロジェクト(http://www.geo.lt.ritsumei.ac.jp/ webgis/ritscoe.html)など、GISを駆使したいくつもの京都研究プロジェクトが実施されている。 |
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京都市明細図(部分、京都府立総合資料館蔵) |
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京都地籍図のGISデータで作成した大正元年の京都市街地の地価等級地図 |
寛永後萬治前洛中絵図
(1642年、部分、京都大学附属図書館蔵) |
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GISによるヘヴィな処理を可能にするワークステーション→
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【過去の記事】
(2013/07)先端の次世代地図データベース開発を大データ量・高速処理に優れたワークステーションが支える
(2013/10)大データ量・高速処理に優れたワークステーションが精緻な街並みを描き出す
(2014/01)GISとCADが融合する最前線で活躍するワークステーション
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